口腔筋機能療法。咀嚼・発音・嚥下の時に舌や上下口唇が正しく動くためのトレーニングです。歯ならびを悪くした原因や、治療後の歯ならびを安定させるためにおこないます。歯科矯正治療と同時におこないます。

不正咬合の原因を取り除き矯正治療を順調に行えるようにするために、不適切な舌や噛むための口腔周囲筋群の動きを正常な機能にすることが必要です。正常な機能の獲得と言いその治療法を口腔筋機能療法と言います。

誤った機能の獲得は母乳や人口栄養の摂取から始まり母乳の出過ぎや人口栄養時の出の良すぎる人工乳首の使用や手を入れすぎた離乳食が誤った舌や噛むための筋肉の動きを獲得し、成長による時間の経過とともに歯ならびに悪い影響を与えていきます。誤った機能を正常な機能にしていく治療方法を口腔筋機能療法と言います。

正常な機能を獲得するには出来るだけ早く口腔筋機能療法を行うことが重要です。誤った機能が確立されてからでは難度が高くなり改善するためには本人および術者の多くの努力が必要になります。しかし早期であり低年齢であるほど本人がその社会生活の中で改善を必要としていません。

本人がその必要性を感じるのは中学校に入って異性を意識するようになった時期であると思われます。中には小学1年生で教科書を読まされた時にうまく発音できずに笑われたことで二度と手をあげなかったお子さんがいました。舌の正しい動きは発音や嚥下の時に上下に動くのですが、母乳の出過ぎで育ったお子さんは舌が前後に動き易くなります。

舌が飲み込む時に前後に動くと歯を押し出すだけではなく食べ物を押し出し食事中に口の周りを汚します。発音でもサ行・タ行の発音の時に舌は上下に動くのが正しい動き方ですが、前後に動くと発音が正しくないだけでなく歯を押し出します。歯が押し出されると食事の良きに歯茎に食べ物が残り不快感が生じるので舌で排除し食事のマナーが良くありません。また、上下の口唇が押し出され口唇の赤唇飜転部が厚くなりリラックス時に口唇を閉じることができません。

いつも口を開け口呼吸になると血中の酸素濃度が高くなり過換気症候群になりやすく、さらに脳が酸素濃度を制限するために各臓器の酸素不足が生じると言われています。また口呼吸をしていると脳の温度が高くなり集中力が欠如すると言われています。

保護者の中には自宅でも行うので、方法を教えてくださいとおっしゃる方もおられますが、私は方法はお教えいたしますが、自宅では行わないでくださいとお願いしています。

口腔筋機能療法は本人が必要としていないことが多いので、母親が敵になることがあります。学校から帰るときに帰ったらお母さんから嫌なことを言われると思いながら帰ることは心理的に良くないのではと思っています。保護者やお母様方にお願いすることは、褒めてくださいとお願いしています。姿勢 が悪くても「姿勢が良いね」というように。本人が恥ずかしい思いをしたことや会話がうまくできないことに気がついたときはトレーニングの協力を得ることは容易いです。

保険診療でできる矯正歯科治療
現在50種類の疾患が保険診療で矯正歯科治療を行うことが厚生労働大臣より認められています。
厚生労働省のホームページで確認をまたは土持矯正歯科医院へお問い合わせください。