不正咬合(正しく並んでない噛み合わせ)があるので良く噛めるようにするのが歯科矯正治療 です。
歯ならびの種類 よく噛める歯ならび、歯ならびが不揃い
上の歯が出ている、下の歯が出ているという大まかに3つのパターンに分けられます。

歯ならびが悪くなる原因

歯ならびはどうして悪くなるのか?歯ならびは、両親の持っている遺伝の情報と今までの生活習慣の2つが大きな原因です。

その割合には個人差があり、生活習慣により歯ならびが悪くなった原因を改善しておかないと矯正治療後にまた歯ならびが悪くなってしまいます。生活習慣の中で一番大きな原因は良く噛まなくなったことで顎の骨が大きくなれなくなったことがその原因だと言われています。また歯ならびは内側から筋肉の塊である舌、表側からは噛むための筋肉が歯ならびを包んでいます。これらの筋肉が誤った動き方をすると歯ならびが悪くなっていきます。これらの誤った筋肉の動きは会話に悪い影響を与え社会生活に支障をきたすようになっていきます。

次に猫背などの普段の姿勢、ゲームの時の姿勢、頬杖や机の上でのうつ伏せ、睡眠態癖などの顔に対する不適切な力、また口呼吸などがその原因です。

矯正治療の方法

歯ならびを悪くする原因をできるだけ早く改善し、装置や姿勢の改善やトレーニング、舌や筋肉の改善のための口腔筋機能療法などにより歯ならびや不適切な外力・癖を直していきます。
装置には歯につけるものや口呼吸を改善したり顎の骨の成長を促進・抑制する装置があります。歯ならびを悪くしてきた原因を早めに改善すると装置による改善の難易度も軽くなり装置を入れている期間も短くなります。中には装置を入れる条件が揃うまでしばらく観察を行う場合もあります。また、噛むための筋肉がしっかりと育たず食事や会話の機能が低下している場合は食事による改善を行うために保護者にお願いすることもあります。

矯正治療は永久歯が揃う前を第1段階、永久歯の治療を第2段階というように2つの段階に分けて治療を行います。
永久歯が揃うのが一般的に12歳ですが、10歳から14歳ぐらいまでの幅があります。悪くならないようにできるだけ早い時期からの治療が大切です。

不正咬合の状態により、多くの治療方法から適切な治療方法を複数選択し治療を行ないます。
第一段階では歯ならびを治すために歯につける装置、歯ならびに悪い影響を与える不適切な習癖があれば口腔習癖の改善のための口腔筋機能療法、上口呼吸改善のための装置、下の顎の骨に成長の差があれば骨の成長の調和を取るために骨の成長の抑制・促進のための装置、食事の内容に原因があれば保護者に食事の改善をお願いすることもあります。また、歯がよく動くためには栄養のバランスのとれた食事と亜鉛とカルシウムが必要です。

諸説ありますが1日一杯のミルクを入れたココアを摂取すると良いでしょう。
ココアの亜鉛とミルクのカルシウムが良い役割を果たします。歯磨きは十分に。

矯正治療の開始時期

昔は永久歯の歯ならびが予測できる10歳前後が適切な時期であると言われていましたが、矯正学講座を退職する1980年代、歯が生え揃う3歳ぐらいから歯科矯正について正しい知識を持った専門に治療している先生が矯正治療をすると保護者は悪くなった状態を見ることなく矯正治療を終えることができると言われていましたが、現在はこれから妊娠される前のお父様・お母様に正しい知識を持ってもらうことでより良い歯ならびに近づけることができると言われています。

現在は診断技術や骨の成長などがよくわかってきて、さらに矯正治療を行うための技術の向上もあ り、できるだけ早期の診断が必要であると言われています。そのためには検査が必要です。「様子を見ましょう」は正しい検査を行ってから言えることです。

歯ならびについて疑問が生じたら日本矯正歯科学会の認定医、指導医、臨床指導医の資格を持っている先生にご相談ください。
生活習慣が歯ならびの成長に与える影響は大きくできるだけ早い時期の来院が影響を少なくすることができます。また、不正咬合の種類によってはタイムリミットがあり矯正治療結果のレベルがだんだんと低くなっていきます。また、よく噛めないことは生活の質の低下を招きます。
矯正治療を行うにはまず写真や頭部のレントゲン、骨の成長(骨年齢)を確認するための手のレントゲン、口腔内の模型などの資料を作成し、現在の状態を把握し治療計画を立て説明し治療方法の同意を得ます。

いくつか治療方法がある場合はそれらの治療結果の違いを説明し治療方法を選択していただきます。第1段階の治療は主訴を改善し、第2段階の治療を容易にしたり治療期間を少なくすることを目標に治療計画を立てます。第2段階の治療は成長が終了する前と成長が終了してからの治療の2つに分けます。おいでになった時の状態で矯正治療の結果が異なりま す。できるだけ早めの来院と検査をお勧めいたします。

不正咬合の種類は、歯ならびと顎の骨の前後的不調和で大きく分けて3種類あります。

1つ目は顎の骨の前後差はなく歯ならびだけの不正咬合です。しかし、成長とともに前後差が生じること もあります。歯ならびだけの場合はその治療だけになります。

2つ目は上の歯が出ている歯ならびですが、多くは下の顎の成長の不足がその原因です。遺伝の情報が多くあり、顎の骨の前後差の度合いで治療方法が異なります。この場合顎の骨の成長が残っている早い時期の治療で結果が異なります。

3つ目は歯ならびが反対で、上の顎の骨の成長が少ない場合と下の顎の骨の成長が大きい場合と、その両方の場合の3種類がありそれぞれ治療方法が異なります。上の顎の骨の成長が少ない場合は男女差はありますが、その成長が終了する10歳までに上の顎の骨を前方への牽引を終了させておくことが必要です。骨が柔らかい3〜4歳ぐらいが一番効果があります。

大切なことは反対に噛んでいる4つの種類のどれであるかを検査して確認することです。

歯科矯正治療で正しくした歯ならびを維持するのは、歯ならびを取巻く環境の機能を整えることも大切です。

保険診療でできる矯正歯科治療
現在50種類の疾患が保険診療で矯正歯科治療を行うことが厚生労働大臣より認められています。
厚生労働省のホームページで確認をまたは土持矯正歯科医院へお問い合わせください。