勤務していた日本歯科大学矯正学教室の多くの研究テーマの一つに「歯ならびと顔の調和」があり、また歯科補綴学講座の故山崎 清教授も顔の研究を行っておりました。
「E-lineを基準とする好まれる側貌に関する研究」で先輩の論文を手伝ってから顔に興味を持ち始め「日本人成人女性の好まれる側貌について」で学位を取得し顔の研究をライフワークとしております。
現在は、「顔と心と歯ならびの関係」を大切にし、「口腔心理学」と言う分野に重要性をおき心理療法を含む診療・研究を行っております。
主な診療分野は妊娠前の両親を含む新生児から成人までの不正咬合、顎関節症、顎変形症で、これらの原因療法、対症療法、予防、さらに不適切な外力に負けない口腔顎顔面の育成を行っております。美しい笑顔が治療目標です。
私は白色の白衣を着用していません。不正咬合の原因が感染ではなく矯正診療を行う際の環境が不潔ではないという理由だけでなく、以下の理由によるものです。
私が大学病院の矯正学講座に勤務していた時、大学病院を退職し開業した先輩が私に「開業すると患者さんが治療に対して言うことをきいてくれないよ、患者さんが言うこときいてくれるのは大学病院という名前のおかげだよ」と言いました。
そこで私は自分が開業する時に、白衣を着ることを止めようと思いました。
それは、大学病院や白衣によって存在していた患者さんとの間の壁を取り払い、私の受けた教育と経験がどれだけ役に立つのかということを知るためでした。また、不正咬合の原因は感染症ではなく矯正治療は観血的な処置がなく、必要がある時だけ白衣を着用することにしました。
その結果、患者さん方から多くの意見や希望を伺うことができそれにお答えできるように勉強をさせていただきました。また、私の出来ないところはそれぞれ専門の先生に治療をお願いすることで、多くの先生と知り合いになることができました。
私を育ててくださった多くの患者さん・先生に感謝しております。